旧東海道五十三次・どまん中<袋井宿>から<浜松宿>

東海道五十三次の真ん中の宿場が27番目の<袋井宿>である。やっとどまん中の宿場へたどり着き、<浜松宿>を通過することができた。

<袋井宿>は、袋井市が東海道宿駅制度開設400年(2001年)に東海道周辺を整備し、今年は、<袋井宿>開設400年ということである。

<袋井宿>近くに来た途端に松並木が目に優しい。土塁も残っていて旧東海道を満喫できる。案内板には、北斎や広重の浮世絵が配置され、唐獅子牡丹を描いた丸凧をあげている様子などが楽しい。風景の遠近、人々の感情。いつもながらの風景画であり、風俗画であり、広告画であり、多様な顔をみせてくれる。

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本陣や脇本陣などの建物は残っていないが、新屋秋葉燈籠が石燈籠でなく瓦ぶきの手の込んだ彫刻をした屋形燈籠である。街道には道標として常夜灯があるが、その石灯には「秋葉」と名前の書かれたものもあり、火事から守るという意味もあるようで、袋井には火伏せの神様をまつる「可睡斎」がある。一里塚も原寸大で復元し立派な榎がのびやかに空に向かっている。

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2001年にきちんと史実を調べて、堂々と<どまん中>と声をあげた感がなんともしっかりとしていて気持ちがいい。色々な現時点での宿場をみてきたが、袋井の現宿場は観光だけではない気持ちがこもっていると友人と賛同しあう。

宿場には「東海道どまん中茶屋」があり、年中無休で湯茶の接待をしてくれる。風の強い日で、炭火の炉の温かさが心地よい。こうした基礎をきずかれた人々が高齢化していくのが気がかりである。とにかく、どこもかしこも袋井は胸をはってどまん中を主張している。

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次が<見付宿>。ここは、歌舞伎と関係するものが多かった。「見付天神」(矢奈比売神社・やなひめ)は、東海随一の学問の神様である。となれば当然菅原道真公である。そして、鳥居のそばにはりりしき犬の悉平太郎(しっぺいたろう)の像があり見付天神の後方には、「霊犬神社」があり霊犬悉平太郎が祀られている。

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私はしっぺい太郎の話しは知らなかったのであるが、友人がしっかり日本昔話をかたってくれた。妖怪が「信濃のしっぺい太郎はいないな」というところがおもしろかった。信濃と遠州をつないでしまうのである。

そして、境内には「十二代目市川團十郎丈 お手植えの梅」の紅梅があって小さいが見事に咲き誇っていた。どうしてここで植えられたのかはわからない。

見性寺には白波五人男の頭目、日本左衛門のお墓もあった。見付に入るところに遠州鈴ヶ森があり、無縁墓碑があった。見性寺の説明板によると左衛門は京都町奉行所に出頭し、江戸の牢獄に移され、さらに遠州見付宿にうつされ町中引きまわしのうえ見付宿三本松の刑場にて処刑されるとある。

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あらゆることに優れていたようだが、少年時代より身持ち不埒で勘当され無宿人となったようである。

身体は見性寺に首は金谷宿宅円庵に葬ると伝えるとある。尾張国上宿に生まれ父の仕事の関係で金谷宿に移っている。享年29歳。

宿場から離れるが天竜川のそばが、『熊野』の熊野御前の郷里だそうである。渡船場跡の近くの「行興寺(ぎょうこうじ)」には、お墓もあるらしいが、渡船場跡までは行ったが時間配分もあるので、すぐ引き返し新天竜川大橋を渡った。

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関東は大井川、遠州は天竜川。西に入ったという感じがする。

2泊3日。向かい風ではあったが晴れてくれたので予定より一歩進むことが出来た。行き帰りとも富士山はくっきり姿を見せてくれた。

天竜川を渡って浜松宿までの旧東海道は往時の面影はない。標柱の写真だけは載せておく。

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