国立劇場 『東北の芸能V』(1)

東日本大震災復興支援として平成24年度より始まって五回目ということである。目にしつつ予定が合わなかったのであろう。今回は、早めに予定として入れることが出来た。

福島県「相馬野馬追太鼓(そうまのまおいだいこ)」、秋田県「なまはげ太鼓」、山形県「花笠踊り」、宮城県「寺崎のはねこ踊」、青森県「青森ねぶた囃子(ばやし)」、岩手県「鹿踊大群舞(ししおどりだいぐんぶ)」

全て興味があった。耳慣れているのは、「花笠踊り」はおそらく<花笠音頭>であろうから、<ヤッショー、マカショ>であろう。それぞれの芸能の起こりの説明のパンフを渡されたので、大変参考になった。

<相馬野馬追>は一千有余年の歴史があり、中村藩主相馬氏は、平将門(相馬小次郎)を祖としている。そして<相馬野馬追>も平将門に始まると伝えられている。凄いです。そこから時代を超えてつながっているのですから。「相馬野馬追太鼓」は新しく、この伝統行事を見てくださるお客様に太鼓演奏でもっと盛り上がって欲しいということで14年前から始まった。たとえば今回のように、劇場で<相馬野馬追>の勇壮さを楽しんでもらおうという場合に有効ということになる。ほら貝の音も加わり旗の閃きを感じるリズミカルな太鼓演奏である。

東日本大震災の時、無名塾主催の仲代達矢さんの『炎の人』を観劇する予定であったが、公演は中止となった。そのため、切符を購入した人には返金のお知らせがあったが、返金を辞退し何かに役立てて下さいと連絡した。後日連絡があった。相馬の馬を仕事でお借りしたこともあり、被害が大きいので、そちらへの支援として回させてもらいますと。その事もあり、若い人が一生懸命に太鼓を打つ姿は頼もしかった。

「なまはげ太鼓」は、男鹿の<なまはげ>を主題とした創作和太鼓である。<なまはげ>は、大晦日にテレビ映像などでよく子供を泣かせている鬼のような怖い顔の面をして、蓑を身につけているがケラミノというそうだ。起源は諸説あるが、<なまはげ>の役割は、怠け心を戒め、家に住む厄(わざわい)を振り払うことである。この<なまはげ>が太鼓演奏をしてくれた。演奏しないときも動きまわり、<なまはげ>としての動きを色々工夫されていた。突然家に来られると、やはりドキッとするであろう。見慣れると愛嬌もある。

「花笠踊り」は、やはり<花笠音頭>である。<花笠音頭>は、尾花沢近郊の徳良湖の土木工事で、土を固める作業の際の囃し唄「土突き(どんつき)唄」が起源とも言われているとか。これは想像外である。踊りも、作業している人に風を送ったり、励ましたりと笠を持ち唄い踊るようになっていったのだそうである。華やかなので、紅花と結びつけていたが起源は違う労働歌であった。しかし、その後歌詞を一般公募したり、踊りも紅花や山形の風物を取り入れ、現在の「花笠踊り」となり、花笠まつりの主役となったわけである。綺麗にそろっていて、多くの観光客の目を楽しませる様子が想像できる。

 

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