長野~松本~穂高~福島~山形(2)

二日目は、時間短縮を目指しタクシーで、県内最古でブルーの外壁が美しい<松本市旧司教館>と重要文化財<旧開智学校>へ。

<旧開智学校>は日本最古の擬洋風学校建築の一つで白い外壁に二階のバルコニーの屋根は唐風で所々ブルーの色を使いなんとも明治にあって新しと思わせた学校である。ここに通った子供達は誇らしく思ったのではなかろうか。通うのが楽しかったであろうと想像できる。町民がお金を出し合って建てている。中には教育関係の資料もあり、松本の教育に対する取り組みの歴史もわかる。

次は歩いて松本城へ。前に来たときは雪が降ったり止んだりであったが、雪の松本城のほうが黒が強調されて美しかった。五重の天守閣で登る階段が急で狭く、外国の方も多く登り降りが少々大変であった。

江戸の泰平の世に徳川家光が来るというので、月見櫓を建て増ししていて、そこだけ、戦の城とは趣の違う外に開け放された空間である。

この松本城が映る映画に日活の吉永さん・浜田さんコンビの『美しい暦』がある。他の場面もこの地でロケをしていれば、登山やサイクリング場面があるので、松本周辺の自然の映像ということになるが。

松本の観光はここまでで、タクシーを呼んで駅へ向かう。これから大糸線の穂高に向かうのである。乗りたい列車まで時間があるので昼食をとる。蕎麦はいやとばかりにカレーうどんにする。満足。

穂高に着くとレンタルの自転車を借りる。そこで地図を調達し、順序を変えて<碌山美術館>を最初に目指す。時間は大丈夫と思うが、最後にして閉館ぎりぎりだと落ち着かない。<碌山美術館>は彫刻家・荻原守衛さんの美術館で本館は教会風のレンガ造りで美しい建築物である。この美術館は、穂高町民と南安曇野(あずみの)教育委員会が協力し合って多くの人々の寄付を得てできあがったものである。

彼はパリでロダンの教えを受け、帰国後西新宿にアトリエをもつ。次兄が惜しみない後押しをしてくれていた。新宿中村屋サロンの中心的役割を果たし、中村彝さんや中原悌二朗さんも強い影響を受けている。中村屋の主人・相馬愛蔵とは同郷である。第一展示場、第二展示場もあり、ゆかりある芸術家の作品も展示している。

そこから駅にもどり、大王わさび農園を目指す。穂高も山々に雪が残っている早春が良い。信州は雪が似合う。大王わさび農園は、黒沢明監督の映画『夢』の水車小屋で知られている。わさびアイスクリームを食べてみたいが、それには季節的に涼しすぎた。わさび畑の水の流れにこの水はどこから来るのであろうかと思ったら、わさび畑の中から湧き出す北アルプスの雪解け水で、通年一定の13℃で一日12万トン湧き出しているとのこと。さらに、万水川と合流し、犀川、千曲川、信濃川となって270km先の日本海に入るのだそうでやはり自然は凄い。

碌山さんは、日本に帰るとき、これから先の助言をロダンに求めるとロダンは「何よりも自然を師としなさい」といわれた。

資料館もあったので、覗いたが、へー、ほー、ふーんと感心した割には何も覚えていない。はひふへほ。

一度来た事がある友人は車だったので、自転車で周れて良かったと言ってくれた。ここは雨でなくて良かった。食べたことがないが、わさび丼とやらが美味しいそうである。わさびだけなのだそうである。あのツーンではないらしい。

帰りは違う道で駅に向かう。途中「水色の時」道祖神があり、連続テレビドラマ『水色の時』を記念して置かれたらしいが、誰もそのドラマを見ていなかった。

「早春賦の碑」。どんな歌だったかなというので、こんな感じかなと口ずさみつつ自分の音程に不安になる。友人がスマフォで検索して美しい歌を聞かせてくれて一安心。本当はボタンを押すと聞こえるはずだったのに故障していたのである。直るなら直しておいて欲しいものである。

時間は考えず一応一般コースで穂高を周ったが、駅に着いたら適当な待ち時間で列車が来た。私は爆睡し目覚めたら、どこまで行くの起こすの悪くてと遠慮がちに聞かれる。「えっ!終点よ。松本。」「終点なの。だったら安心ね。」言葉が足りなかったかと思いつつ私はまた爆睡。

松本の二日目の夜。そこはお互い抜かりなく松本に着いたらすぐ直行のお店をみつけておいた。しかし、今日は大きいお風呂に入るからと適当に引き揚げ、お風呂のあと、友人の部屋に集合であった。

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