和歌山かつらぎ町<丹生都比売神社>

丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)>へは、JR和歌山線の笠田(かせだ)駅から丹生都比売神社行きのコミュニティーバスが出ていました。駅にかつらぎ町の地図があったのですが、紀ノ川とJR和歌山線に分断される細長い町です。平成の大合併でそうなったんだそうです。

バスの運転手さんがいろいろ説明してくれました。紀ノ川を渡るとき下流側のこの先には蛇島というのがあり、有吉佐和子さんの『華岡青洲の妻』はその近くが舞台ですと教えてくれました。蛇島と言われるのは雨のあと死んだ蛇が沢山流れついたからではないかとのことです。

『紀ノ川』では、主人公の花さんが亡くなるとき、家の守り神であるとされる白い蛇も死んで映画の中では三度姿を現しました。

2015年の和歌山国体でこの道も良くなったということで、かなりのカーブが続く山の中を走行していきます。この山道の先に平地があり視界が開けますからと教えられましたが、そこは田んぼの稲が青々した米どころ<天野の里>でした。標高約450メートルだそうで人は平地を求め高い場所であっても生きるための食物を育てる場所を求めて開墾していくのですね。ただ途中に閉校になった学校が二つもあり人口の少なさへの変化が実態となってわかります。

その<天野の里>の上に<丹生都比売神社>があり、九度山で<丹生都比売神社>までは無理と教えてくれた方が子供の頃この辺に住んでおられたのがよくわかりました。こんなに開けた田畑の場所とは想像ができませんでした。

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: DSC_1616-1024x576.jpg

 

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: DSC_1614-1024x651.jpg

 

 

 

鳥居の前には、カーブのきつい赤い太鼓橋が印象的でした。階段のようになっていて一段一段登って下ります。<丹生都比売神社>は参拝に時間のかからない広さで、拝殿奥の本殿の檜皮葺(ひわだぶき)が新しくたっぷりとした厚さがありました。

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: DSC_1611-1024x576.jpg

 

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: DSC_1612-1024x576.jpg

 

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: DSC_1613-1024x576.jpg

 

 

主祭神である丹生都比売大神は別名を稚日女命(わかひるめのみこと)といい、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の妹さんにあたるんだそうで、空海さんを導いた二頭の犬を連れた狩人はこの女神のお子さんの高野御子大神(たかのみこのおおかみ)が化身されたとの言い伝えがあるようです。

九度山と高野山をつなぐ意味でも重要な位置をしめ、天野の里を見れたので古(いにしえ)の山の中にひっそり暮らす村落に出会えたような風景でした。アスファルトの道は風情に合いませんが、現在生活されている人々にとっては安全で快適な道です。

高野町石道にある六本杉まで20分とあり、少し歩いてみようかと歩きはじますとと、<自然遊歩道六本杉までの近道>とあり、そちらの道を歩いてみることにしました。急な登りで一人歩けるほどの細さで10分位歩いたのですが引き返しました。暑いので歩かなくても良いところとして計画に入れましたので、素直に計画に従うことにしました。

帰って来てから映画『紀ノ川』を見ましたが、やはり花さんが紀の川を船でお輿入れする場面から始まっていました。船でのお輿入れはなく有吉佐和子さんが考えた事らしいですが、フィクションもここまで考えられれば紀ノ川も満足と思います。

映画『紀ノ川』は、花の巻・文緒の巻とあり、司葉子さんの花とその娘・文緒の岩下志麻さんの生まれた時代の生き方の違いでもありますが、司葉子さんの迷うことなく紀ノ川と一体となって流れていく生き方を再度時代を感じつつ楽しみました。花の夫・真谷敬策(田村高廣)の弟・浩策(丹波哲郎)が文緒に紀ノ川に取り込まれない川が鳴滝川で俺もお前も鳴滝川だよという台詞が生き方の違いを表した印象的な言葉でした。

お箏の音色が素敵でした。静かな時の紀ノ川の流れに合っています。

花さんは九度山から六十谷(むそた)の真谷家へ嫁ぐのですが、JR阪和線に六十谷駅というのがありました。阪和線に乗ると映画にも出てくる六十谷の鉄橋を渡ることができるのです。一度<道成寺><紀三井寺>から<伊賀上野>への電車で通過しているのですが、その時は『紀ノ川』の意識が薄く<六十谷>を気に留めませんでした。残念です。

今回はの旅の友の本は『忍びの国』でしたので、伊賀上野も関係していたのです。映画『忍びの国』が上映中ですが、本のなかの登場人物が自分流に出来上がっているのと、信長がどうして伊賀攻めに至ったかの和田竜さんの仕掛け方が面白いので、すぐには見たくない気分なのです。

随分話が飛んでしまいましたが、自分の中では地図が埋められていってはいるのです。

 

九度山と映画『娘道成寺 蛇炎の恋』『真田十勇士』(1)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です