映画『ゴッホ 最後の手紙』

『ボストン美術館の至宝展』東京都美術館(2017年7月20日~10月9日)に、ゴッホにとって大切な友人である郵便配達人のジョゼフ・ルーランとその夫人の肖像画がきていました。

映画『ゴッホ 最後の手紙』は、ゴッホの死後、郵便配達人である父・ジョゼフから息子・アルマンに一通の手紙が託されます。ゴッホからテオ宛の最後の手紙です。アルマンは直接テオに手紙を渡すため出発しますが、テオが亡くなっていることを知り、さらにゴッホの死の原因にも疑問を抱き始めます。アルマンはゴッホが最後に過ごしたパリ近郊のオーヴェールで親しかった人々にゴッホについて色々聞いてまわります。

ゴッホはなぜどのようにして亡くなったのであろうか。本当に自殺だったのであろうかとサスペンス的流れとなり、引きつけていきます。

なんとこの映画は、ゴッホが描いた肖像画の人々がゴッホの絵のタッチで油絵の動く人物として登場します。さらに、ゴッホの描いた風景がこれまたゴッホの絵のタッチで街や畑や家として映し出され、そこを、登場人物が動くのです。ゴッホ絵画の動画となって映画は作られているのです。

静止すればそれはゴッホの絵の複製で、それが動くわけですから、そうかゴッホはこういう風にとらえて歩いたり座ったりしていたのかとゴッホの画家としての眼で見ていたものが動いて見えるという感覚も味わいます。しかし、そこをサスペンス的にひっぱりますからゴッホの絵の中で二重の面白さを体験させてもらうことになります。

ゴッホの絵をよく知っている人も、知らない人もゴッホの絵のタッチを感じつつ映画を愉しめます。興味深い試みです。

アルマンの帽子と黄色いジャケットが若者特有のどこか世の中に対する憂鬱がマッチしていて、映画の人物設定にもゴッホの絵を上手く使っています。

この映画実写映像で撮影し、そこに125名の絵描きがゴッホのタッチを訓練し、ひとコマひとコマを62、450枚の油絵でつないでいます。5000人の応募者から125名えらばれたのですが、その中に一人、日本女性画家・古賀陽子さんが選ばれ参加しています。『ゴッホ展 巡りゆく日本の夢』(東京都美術館、2018年、1月8日まで)でも紹介されていました。

この展覧会では、ゴッホの認められなかった苦悩の画家人生とは少し違う視点でゴッホの作品を鑑賞できるようになっていて、それが浮世絵にあることが文化は空気のように人知れず飛んでいくことに明るさを感じさせてくれます。

さらに『北斎とジャポニスム』(国立西洋美術館、2018年、1月28日まで)を観ると、日本の庶民文化って凄いじゃないか。閉ざされたなかでも庶民のエネルギーは、あらよっと軽い足さばきで闊歩しているではないか。面白い企画が並んでくれました。

それにしても観たい映画を観るのも方向音痴のためか六本木ヒルズ大変です。事前に調べていてもビルの中で、私今どこにいるの状態です。毛利庭園がビルの中では盆栽型庭園で、現代ですから仕方のないことでしょう。日本人が日本人のおもてなしに助けられ、めげずにウロウロします。森美術館の展望台入口を聴いてそこに行き着くと映画ポスターがありますからその外階段を上がれば映画館です。映画館の入口は外になります。(中からも上がれるのかは今のところ不明。)すいませんがウサギ君、上野に映画館できたのは嬉しいけれどおしゃべりより地図を映してよ。

予告映画で『フラットライナーズ』が出て来てリメイク版?1990年版は、若きキーファー・サザーランド、ジュリア・ロバーツ、ケヴィン・ベーコン、ウィリアム・ボールドウィン、オリヴァー・プラットらが出ていたんですよ。リメイク版はパス。もう一つのリメイク版『オリエント急行殺人事件』は、ケネス・ブラナー監督・主演ですので観たいですね。古いほうも観直したいです。

 

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