足摺岬から竜串海岸 四国旅(4)

足摺では海に沈む夕陽と日の出が見れた。元旦に日の出を見ていないので手を合わせて無病息災を。手抜きであろうか。あしずり温泉は弘法大師が金剛福寺を建立したさい疲れを癒したとされる。

足摺岬にはジョン万次郎の像がある。14歳の時、出稼ぎに出た万次郎は足摺沖でシケにあい、漂流、アメリカの捕鯨船に救助され、ホイットフィールド船長の好意で勉学に励み様々な西洋知識を学び日本に持ち帰る。バスガイドさんが龍馬に比べると知名度が低く、龍馬たちもこの人の先がけがあったからこそ次のステップを踏めたのだからもっと知ってもらいたいと熱く語られた。土佐清水出身の方だろうか。ジョン万次郎さんには大変興味があります。時間が無いだけで。足摺岬は寺田寅彦の短編「足摺岬」で有名になったとか。知りませんでした。観光の地名としてインプットされてますので。太平洋が270度見渡せる。

すぐ近く札所38番の金剛福寺がある。そういえば37番の岩本寺から38番までが一番遠いと云っていたような気がする。金剛福寺は弘法大師が千手観音を刻んで開基し、足摺岬は補陀洛(観音様の住む山のことで、観音浄土として崇拝されている理想の世界)に最も近いとされ、嵯峨天皇より「補陀洛の東門」の勅願を賜っている。和泉式部の逆修塔(生前に建てる墓)もあるらしい。

かつて「補陀洛渡海」という宗教儀式があり、小舟にのり補陀洛を目指すのである。有名なのは那智勝浦(和歌山)における補陀落渡海であるが、これは補陀洛に向かうのみで帰ってきてはいけないのである。今の時代から考えると残酷なことである。足摺にもそれがあり足摺の名の由来もそれに関係しているようである。

地平線のその先に補陀洛がありそうな気持ちにさせる美しい海の色と光である。

足摺岬から竜串海岸へ。竜串でグラスボートに乗りサンゴの群生とその周りを泳ぐ熱帯魚を覗き見る。海に潜りたくなる人の気持ちが解かった。もっとはるか下に見えるだろうと想像していたのに船底がサンゴに当らないのか心配するほど近い真下に見えた。難所で弘法大師さえも見残したと言われる場所を遠めに眺め引き返した。自然はそうっと静かにいつまでも残っていて欲しいものである。

 

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