<日本橋から品川宿 (1)>(2012年12月23日)で、神田川コースの舟めぐりをしたいと書いたが、あれから早くも時間がたち11ケ月目にして実行である。少し捜してみたら、「江戸東京再発見コンソーシアム」というところが日本橋から、日本橋川、神田川、隅田川、日本橋川とめぐって日本橋にもどるコースがあったため事前に予約する。舟が小さく10人乗りである。東海道歩きの仲間たちも以前情報を提供したところ、興味を持ち貸し切りにしようと仲間が動いたが日にち調整ができず、まずは私がお先に失礼と一人先行する。後は2班位に分かれ後日に予約したようである。
全部で45の橋の下を通過するのである。古地図と現在の地図を見つつ、ガイドさん付きである。屋根もあるので雨でも大丈夫であるが、潮の満ち引きと関係しているので不定期であるためきちんと調べた方が良い。1時間半ほどであるが、45の橋である。それも、あちらの道とこちらの道を、さらには、あちらの町とこちらの町を結ぶのであるから、川は一筋でも地上は複雑で、さらに橋の形、浮世絵で江戸時代と現在との比較などとなると、結構忙しいのである。但し面白い。最初に講義を受けてから乗り込みたいところである。
一橋家は、一ツ橋の近くに住んでいたので、一橋の名前をもらったのだそうである。聖橋は関東大震災の後、ニコライ聖堂と湯島聖堂を結ぶ橋として聖橋。これは一般によく知られていることである。聖橋に異変が。御茶ノ水橋からの美しい聖橋の前に余計なものが。御茶ノ水駅を建てかえるため、川のほうに工事用資材を置く場所と移動するための橋が設置されてしまったのである。少なくとも5年はかかるとか。御茶ノ水駅も相当古いので安全のためには致し方ないが、あの川に移る姿がしばらく見られないのは残念である。
万世橋のところで、旧万世橋駅が復活し煉瓦造りの駅舎後には手作りのお店や飲食店が入っている。その二階からは両側を走る中央線の快速列車がみえるのだそうで、舟から下りたら寄らねばならない。ゆりかもめ(都鳥)も季節がらか沢山みかける。赤いブーツと赤い口ばしがゆりかもめでカモメより可愛らしい顔をしている。柳橋に近づくと、舟宿が並ぶ。上から見るよりも、やはり川から見る方が風情がある。落語の『船徳』を思い出す。この舟は電気ボートで、船頭さんも若旦那の徳さんではないので安心である。隅田川では、清州橋の真ん中にスカイツリーが見える。書き切れない沢山の楽しい発見がある。
舟を下りて、秋葉原駅から万世橋を渡り旧万世橋駅へ。可愛らしいお店があり、川べりはテラスになっていて歩くことが出来る。さっきまで舟にゆられた川を上から眺めるのもいいものである。二階に上がると、ガラス張りになっていて、お子さんたちも安全に手の届きそうな近さで列車の通るのが見えて声をあげて喜んでいる。列車を見ながらのレストランもあり人気で並んでいる。心惹かれたが、万世橋から御茶ノ水橋に向かって歩くことにする。階段を下りるとその階段は、旧万世橋駅の階段である。そしてここで買った本がまた大当たりであった。
万世橋から昌平橋。。そしてJR総武線のが走る鉄道橋、右手には湯島聖堂が、その奥は神田明神である。聖橋も見えてくるが道は聖橋の下をくぐる形で御茶ノ水橋へと続く。ここで散策は終了である。
大当たりの本であるが、竹内正浩著『江戸・東京の「謎」をあるく』である。<第四話 江戸・東京の怨霊を追う>は神田明神と平将門の集大成と言って良いのでは。私としては、これですっきりである。そして神田明神の氏子さんたちの頑張りには拍手である。万世橋駅についての歴史も書かれている。<第一話 江戸の京都を探訪する>からして引きつけられる。舟めぐりも本めぐりも的を射たようである。
映画『地下鉄に乗って』を見て思い出す。聖橋の前を地下鉄が走る。そうである。舟から地下鉄丸ノ内線の電車が通る鉄橋を見上げたのである。そして上手く丸ノ内線の列車が通ったのである。昌平橋、JRの鉄橋、丸の内線の鉄橋、聖橋である。映画『地下鉄に乗って』の聖橋前の地上に一瞬姿を見せる地下鉄の映像も貴重である。
今夜(11/8) 22時~NHKEテレビ 「にっぽんの芸能」 <舞踏「忍夜恋曲者・将門」> 坂東玉三郎・尾上松緑 放映あり