映画『ダ・ヴィンチ・コード』から映画『メリー・ポピンズ』(3)

ロード・オブ・ザ・リング』は見始めてからすぐ、この映画を見なくてはならないのかと気分が乗りませんでした。美術が綺麗じゃないのです。我慢して見ていました。イアン・マッケランさんのガンダルフが出てきました。ガンダルフは真っ白い衣裳で白馬に乗り、妖術も使えるらしく格好いいのです。

どうすりゃいいのさと思っていましたので助かりました。ひたすらガンダルフが出てくるのを待ちます。判断力あり、統制力あり、台詞もいいのです。ガンダルフのお陰で最後まで見ることが出来ました。

セットとか、美術とか、特殊メイクなど凄いとはおもいますが、これは好みの問題でしょう。そして長いです。現実の戦争には正義などなく殺し合いです。ゾウの大きいのが出て来て兵士を踏みつけたり、投げ飛ばしたりしますが、踏まれたりとばされたりするあれって自分だなと思いました。戦争で犠牲になるのはヒーローではなく多くの一般の人々です。近頃ファンタジーなのに現実味を帯びて見てしまい楽しめません。

アリンガローサ司教のアルフレッド・モリーナさんは、『フリーダ』に出られていたのです。この映画、都民劇場から券が届いていたのですが見に行く時間が取れず、友人に見に行ってもらった映画で、映画を観たと聞いたことのない友人がとても良かったよといっていましたが、素通りしていた作品です。良い作品でした。フリーダさんは実在のメキシコの女性画家で、アルフレッド・モリーナさんはフリーダの夫の役でした。

フリーダは感性豊かで情熱的で気性の激しいかたで、18歳の時バスの事故に遭い、何回も手術を受け、生涯で30回以上受けているということです。痛みとの闘いでベッドで絵を描き、歩けるようになり結婚した相手がアメリカのロックフェラーにまで依頼される人気壁画家・ディエゴで、その壁画家の夫役がアルフレッド・モリーナさんなのです。

こちらは、美術も美しく、CGも使われますがこの映像にマッチしていて効果的です。音楽もメキシコの色と香りが伝わってくるような良さです。

<太鼓腹さん>の夫のディエゴは浮気ばかりしてフリーダを悩ませますが、フリーダの絵の才能とその感性を一番理解しているのがディエゴで、フリーダ役のサルマ・ハエックさんの夫役はアルフレッドさん以外に考えられない雰囲気の演技でした。フリーダさんが伝説的な女性画家らしいのですが、映画を見ると伝説になってしまいます。

アルフレッド・モリーナさん『スパイダーマン2』では悪役だそうでこの映画も見ない部類で、アルフレッド・モリーナさんが悪役なら見ないわけにはいきません。スパイダーマンは普段は大学生で、そこがこちらにしてみれば若すぎて物足りなく、『バットマン』のほうが面白かったです。モリーナさんも味薄かったです。この映画はスパイダーマンの蜘蛛の糸と、人工的装置が主役ですね。

トム・ハンクスさんは沢山ありますが、ロン・ハワード監督は<トムと僕はジョークを言ったものだよ。>といわれています。

「僕らは水の中で『スプラッシュ』を撮った。それから10年後には、宇宙を舞台に『アポロ13』を撮った。そして今回はルーヴル美術館だ。僕らは極端な場所でばかり、映画を作る運命にあるようだね(笑)」

スプラッシュ』見ていませんでした。『アポロ13』のころは、『フィラデルフィア』『フォレスト・ガンプ/一期一会』が出てましたから、初期のは見る気がしなかったのですが、この際と見ました。そしてトム・ハンクスさんが動きがよく映画の撮り方の力もありますが、身体にリズム感がありあらためて喜劇役者さんとしても一流と思いました。

ビッグ』の子供が突然大人になってしまうとか、『ターナー&フーチ/すてきな相棒』のブルドッグとのコンビは最高でした。ブルドッグのほっぺたの下にあんな大きな口があるとは。突進してくるフーチの凄さと、すてきな相棒になるまでの過程と別れ。そうなるであろうと想像していましたが見せてくれます。台詞のユーモアが笑えてしゃれています。

スプラッシュ』の人魚姫と人間の青年の恋物語ですが、人魚姫の泳ぎ方がリアルなので驚きました。下半身を魚の衣装で押さえこまれたかたちで優雅に上下に動かすのですが、これは大変な撮影だったと思います。演じるほう撮るほうも。そこに登場した海老と小太りの魚のキャラが特殊な二人の関係を楽しいファンタジーを加えていました。海老ちゃんの名前メモしていませんでしたのでわからないのですが、海老が厨房に紛れ込み調理されそうなりながら上手く逃げるのがこれからどうなるのという現実感に息抜きを与えてくれました。

違う世界に来てしまった人形姫の悲しさも出ていて、まさかトム・ハンクスのほうが海の世界にいってしまうとは予想しませんでした。この映画、どこも引き受け手がなくて、ディズニーが引き受けてくれたらしいのです。それで『メリー・ポピンズ』かな。ちがいます。もう一つクッションがあります。トム・ハンクスさんの映画がお気に入りのかたには、そんなの知ってるよとブーイングされてるでしょう。

ウォルト・ディズニーの約束』です。ウォルト・ディズニーを讃える伝記映画かなとおもいましたら『メリー・ポピンズ』の原作者との関係を描いたもので、いかにして映画『メリー・ポピンズ』が出来たかという内容なのです。

 

 

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