『~芸がさね舞がさね~』(第2回江戸まちたいとう芸楽祭クロージングイベント)①

江戸まちたいとう芸楽祭」というのは [粋、豊かな人情、進取の気性など、心を感じる「江戸まちたいとう」で、先人たちが守り、育て、現代へ継承されてきた多彩な芸能・芸術文化を、肩の力を抜いて楽しめるお祭り]なのだそうである。

このフライヤーを見つけた時、パッと目に留まったのが神田松之丞さんの写真。何でもいいチケットゲット。予想外に自分の希望の席が確保できた。これも小野照崎神社への初詣のお蔭であろうか。

台東区下谷にある小野照崎神社は、渥美清さんがお参りしたところ、そのあとすぐに『男はつらいよ』の寅さんのオファーがきたとの情報を得たので、今年の初詣は小野照崎神社と決めていたのである。さすが御祭神の小野篁(おのたかむら)公さま、芸能の神様であらせられる。観る側の希望を叶えて下さった。

~芸がさね 舞がさね~』は神田伯山さん(松之丞さん、2月11日より六代目伯山を襲名。襲名真っただ中。)はもとより、出演者の皆さんお初であるがすばらしかった。「浅草花やしき花振袖」、手妻・藤山大樹さん、和楽演奏・AUN J クラシック・オーケストラ。さらにビートたけし杯お笑い日本一受賞者の予定であったが、今回は受賞者がいなくてなんとその代役が、「爆笑問題」である。もちろん芸能界の代役騒動もネタに入っていた。「爆笑問題」は全く予定になかった嬉しい二回目である。

肩の力を抜いて楽しめるお祭りどころか、舞台からのオーラが半端ではなく、観ている方も鍛えられ終わって帰宅途中の車中は爆睡であった。

最初の「浅草花やしき花振袖」の9名のメンバーは、大和楽・花吹雪を桃割れに肩上げの振袖で乙女心を舞い、最後は扇づかいも息を合わせてあでやかな群舞を披露してくれた。浅草花やしきに所属している舞踏家さんとのことである。浅草花やしきでダンスパフォーマンスなどがあるというのは知っていたが、花劇場ができて、新たなる芸能が発進されているようである。

二番手が神田伯山さんで、いやもう想像していた以上の語りの迫力である。30分の持ち時間のまくらを入れて講談は17分くらいであったが、初めてなので聴いてるほうは充分であった。まくらの話しに亡くなられた浪曲師・国本武春さんと木馬館で一緒に出演したときの話しをされた。

その日は一列目にインドのひとが7人くらい並んでいてやりづらかったのであるが(本当かな)、国本武春さんはその場を包み込むようにして盛り上げてインド人も最後はスタンディングオベーションとなったそうである。そのインド人たちラップの心得があったかもと映画『ガリーボーイ』(インドのスラム街出身の実在ラッパーを描いている)を思い出してしまった。

伯山さんは国本武春さんとは違って、挑みかかる感じである。演目は『扇の的』。よく知られている那須与一の平家方の扇を射抜く話しであるが、いやいやこちらは初めて聴くような心持ちである。そこにいたる成り立ち、情景、工夫が新鮮なのである。えっー、そうなの、状態である。波を越えていく馬上の那須の与一の凄い掛け声。ここは拍手でしょと指導されるが、そんな余裕はなかった。

はっと我に返り、不意打ちに私の情景の中の那須与一はつんのめって海にころがり落ちそうであった。伯山さんの観客に対する手綱さばきには御用心である。用心仕切れないが。この辺で続きは次のお楽しみというとことであるがラストもきちんと語ってくれたので一件落着である。

2月16日(日)夜 11時~ 『情熱大陸』(TBSテレビ)に出演とのことである。


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