映画『ステキな金縛り』からドラマ『ステキな隠し撮り~ 完全無欠のコンシェルジュ~』(3)

さて映画『ステキな金縛り』には、出演の時間に関係なく個性的な出演者が多いので、こちらの頭の中の整理を兼ねて紹介しておきます。

・すこぶる好奇心の強い裁判長(小林隆)

・六兵衛の子孫で歴史家として六兵衛の名誉回復のため慰霊碑建設に尽力する木戸(浅野忠信)

・殺された鈴子の姉の風子の夫でなぜか外国人的ジェスチャーの日野(山本耕史)

・エミの恋人の工藤と役者仲間でやる気だけはあるが売れていない村田(佐藤浩市)

・法廷画家で六兵衛が見えていている日村(山本亘)

・奥多摩からエミと六兵衛を乗せる落ち武者頭のタクシー運転手(生瀬勝久)

・ファミレスの店員(深田恭子)・ファミレスで六兵衛を見て驚く男(梶原善)・道路で六兵衛を見て悲鳴を上げる女(篠原涼子)・エミのボスを看取る医者(唐沢寿明)・テレビの中での心霊研究家(近藤芳正)・エミと並んでエンディングにとんでもない人が出ている(大泉洋)(その他・相沢一之、西原亜希、榎木兵衛 等多数)

映画『ステキな金縛り』の公開を記念して製作されたのがスペシャルドラマ『ステキな隠し撮り~完全無欠のコンシェルジュ~』(脚本・演出・三谷幸喜)である。『ステキな金縛り』の出演者を起用して、あるホテルの新人コンシェルジュ・西條ミエ(深津絵里)が、8人のスイトルームのお客様からの要望に応えるのである。上司のコンシェルジュ・菅原(小林隆)からコンシェルジュの言ってはいけない言葉「駄目です。無理です。出来ません。」をやんわりとつきつけられる。

一番目の客は、芸術家(浅野忠信)で、色々探っていたらダンスの振付師で新しいアイデアが浮かばなくて苦しんでいた。ミエは盆踊りから発想して新しいダンスを披露する。どんな盆踊りだったのか、そちらが気になる。「ONCE IN A BLUE MOON」 

二番目の客は、映画監督(三谷幸喜)であらかじめDVDを見せられその感想を聴かれる。どうやら『ステキな金縛り』のようである。条件は自信の持てる言葉が欲しい。ミエは泣けたところは三か所。監督は七か所。しいて言えば七か所は多すぎであろう。最後にミエはバシッと決めの言葉を言う。13台の隠しカメラがフル回転。

三番目の客は、写真家(山本耕史)で、ミエにモデルになってほしいという。ミエは出来るだけ協力するとやる気あり。テーマはワーキングガール。部屋の中はドンドン暑くなっていくどんどん脱いでゆく。誰が。

四番目の客は、料理の出来ない料理研究家(竹内結子)明日のテレビの生出演のためにニョッキの実演練習である。この実習を見せられるのかと、しいて言えば退屈であった。しかし、このドラマの撮影は長廻しなのである。ハプニングあり。怪我されなくてよかった。

五番目の客は老人(浅野和之)である。愛人と一度だけこのホテルに泊まり至福の時間を過ごした。その愛人も亡くなり自分の命ももう長くはない。一時間でいいから愛人の代わりになってソファーに並んで座って欲しい。老人の話術に単純にダマされてしまって笑ってしまった。

六番目の客は、コール・ガール(戸田恵子)で一緒にいた国会議員(木下隆行)が亡くなってしまった。その死体の下に議員からプレゼントされた200万円のピアスがあるので探して欲しいと。大きな死体を動かして探しているうちに秘書(相島一之)が来て手切れ金を置いてゆき遺体を運び出す。役に立つ盆踊り。

七番目客は、シルク・ド・それゆけのスター(草彅剛)は、新しい技を考えなければならないので見ていてくれと。箱にライオンと入るのだそうであるが、なかなかスター一人が箱に収まらない。スターのオーラに箱が小さすぎるのかなんてことはない。技がないのでは。

八番目は会社員(西田敏行)で、会社のお金を横領していた。人生で最初で最後の贅沢にスイートルームに泊まる。一度でいいから誰かの役に立ち、ありがとうと言われたい。ミエは答えられるであろうか。

その他、怪我で包帯だらけの客(小日向文世)、歌手KAN、超ショートの小佐野(中井貴一)と外務省役人(阿部寛)、映画『ステキな金縛り』の宣伝をする阿部つくつく(市村正親)、最後はミエのコンシェルジュとしてのダメさぶりを見つめていた盗影犯人(生瀬勝久)

個性的な客(俳優)に深津絵里さんはよくコンシェルジュとしても俳優としても答えられていた。8人との長が回しであるからお疲れであったろう。ショートの客の要望も細かかったり想定外だったりで、よく言いますよと楽しかった。

三谷幸喜さんは歌舞伎の台本も書かれていて演出も。『月光露針路 日本風雲児たち』(つきあかりめざすふるさと)で原作はみなもと太郎さんの長編マンガ『風雲児たち』からである。映画『おろしや国酔夢譚』を観ていたので内容は分かっていたが、ロシアの宮廷をどう描くのかが興味あった。さすが歌舞伎役者さんと舞台装置である。

女帝カテリーナが猿之助さんで公爵ポチョムキンが白鸚さんである。猿之助さんは高杉早苗さんを思い出してしまった。ミュージカルでもベテランである白鸚さんは、さすが外国の高官のそのものであった。お二人で豪華絢爛な宮廷を描いてしまわれた。それに圧倒されながらも負けない光太夫の幸四郎さん。彼の願いは乗組員と途中で亡くなった者たちの魂を日本に連れ帰ることであった。(シネマ歌舞伎として10月上映予定。)

追記: NHKBSプレミアム『英雄たちの選択』(名優誕生!九代目市川團十郎新時代に挑む」の放送は大変よくまとめられていてわかりやすかった。活歴や川上音二郎との関係など。再放送は24日(水)午前8時~。川上音二郎との関係では茅ヶ崎の「ちがさきナビ」の「地図でめぐる茅ヶ崎と芸術」の地図が参考になると思います。http://www.chigasaki-kankou.org/faq/http://www.chigasaki-kankou.org/pamphlet/

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