仏教関係の映画(2)

さて仏教の祖のお釈迦様の映画にいきます。映画『釈迦』は2時間半と長かったです。シッダ太子の本郷功次郎さんが全てを捨て菩提樹の根元に座しで瞑想に入り悟りをひらいてブッダ(釈迦)となってからは姿を現さず影であったりロングで撮ったりします。

シッダ太子の従兄で邪悪の権化であるダイバ・ダッタが勝新太郎さんで、神通力を会得してお釈迦様の邪魔をします。ダッタはマダカ国の若君をかどわかし国王を幽閉させます。その国王が寿海さんで息子が自分の間違いに気がついた時には亡くなっていました。

ダッタは自分がマダカ国の王となり、お釈迦様を信ずる仏徒たちを弾圧します。怒ったお釈迦様は地震を起こし地を割き、ダッタを地下に落としますが改心したダッタを救い上げます。

お釈迦様は信徒に看取られながら入滅され天へ昇って行かれます。

大スペクタルの映画で出演者も豪華ですが長すぎて途中飽きてしまいました。罰当たりな事です。

アニメ『手塚治虫のブッダ ー赤い砂漠よ!美しく』と『BUDDHA2 手塚治虫のブッダ ー終わりなき旅』。手塚治虫さん原作のアニメ2作品は惹きつける力が強く集中して観ました。物語の運び方がさすがです。 

王子であるシッダールタと奴隷の子であるチャプタとの生き方を同時進行で進めて行きます。シッダールタの悩みは内面的なもので表にあらわしづらく物語性が弱まってしまうことにもなるので設定が上手いです。全く違う身分の二人によって世の中の仕組みを描いてもいるのです。そして属する国の違いによって国と国の争いも降りかかってきます。さらに、超能力をもった子供・タッタも登場し変化球を投げてくれます。

チャプタは奴隷の子であることを隠して上の階級に這い上がろうとしますが、母を見殺しには出来なくて死を選ぶこととなります。シッダールタは何不自由のない身分なのに心が静まらず全てを捨て出家の道を選びます。

シッダールタはきびしい修業の道を歩みます。途中で一緒に旅をすることになった少年・アッサジは人の未来を予言でき、自分の未来をも予言します。そしてその通りになりアッサジはお腹を空かせたオオカミの子に自分の身を差し出し食べられてしまうのです。

タッタは大人になり子供の頃の超能力はありません。盗賊となっていました。かつてシッダールタと心を通わせた娘とも再会します。様々な人の生き方を通して学びつつやがってシッダールタは悟りをひらきブッダとなるのです。

アニメ映画は三部作としていますのでいつか三部を観ることができるでしょう。

特典映像のなかでチベット仏教の14世ダライ・ラナが語られています。

「ブッダは苦行もしましたが最終的には智慧の局面を考えることを重視するようになったのです。先ほど申したように仏教では知性を最大限に使うように説きます。< 弟子たちよ、僧たちよ、学者たちよ、私の教えは単なる信仰や信仰心からではなく、入念に吟味した上で受け容れなさい。>と述べています。これは非常に科学的なアプローチだと思います。常に疑いの心を持ち、よく吟味せよというのです。吟味した結果が納得できたものなら受け入れても構わない。」

映画『クンドゥン』は、14世ダライ・ラマが、田舎でダライ・ラマの転生者として見つけられ、中国の統治からインドへ逃亡するまでが描かれています。

チベットはダライ・ラマを指導者と仰ぎ一千年の間、非暴力主義を貫いてきたのです。彼こそはブッダの慈悲の化身とされてきたのです。13世が逝去し高僧が旅人にやつして4年後に探しあてます。転生系譜というのが長い間続いているのです。知りませんでした。歴史的経過は詳しくは知りませんが、大国の介入というのは横暴さが目立ちます。それも暴力が横行します。

マーティン・スコセッシ監督は、宗教に強い関心をもたれているようで、遠藤周作原作の『沈黙』も映画にしていますね。

映画『リトル・ブッダ』は、転生の話で、高僧・ドルジェ僧の転生者を探しています。シアトルに住むアメリカ人の少年・ジェシーがその候補となります。ジェシーはプレゼントされたブッダの本を開きます。本を読むと映像はシッダールタの話へと変わります。シッダールタはキアヌ・リーブスです。

この高僧の転生候補がほかに二人現れるます。ネパールで路上芸人の少年のラジュと少女のギータです。三人は会います。そして、三人はそろってシッダールタの物語を間近でながめシッダールタが悟りを開きブッダとなる過程を目にするのです。さて三人のうち誰が転生者となるのでしょうか。

一人の人が三人にそれぞれ別々に生まれ変わる場合もあるとしています。肉体、言葉、精神がそれぞれに別れて共存すると。

ブータンでドルジェ僧の弟子であったノルブ僧は転生者を選び終わり役目を無事終え、座して瞑想の中で静かに息を引き取ります。

ブータンまで息子と共に旅をしたジェシーの父は親友の事故死にショックを受けていましたがこの旅で何かを感じたようです。

このベルナルド・ベルトルッチ監督の映画は、監督の<オリエント三部作>『ラストエンペラー』『シェルタリング・スカイ』『リトル・ブッダ』の一つとして観るという見方もあるようです。

映画『クンドゥン』と『リトル・ブッダ』で砂でできた美しい曼荼羅が風で壊れたり、手で壊されるのは何かを暗示しているのでしょう。

お釈迦様の悟りまでの道のりやその瞬間などそれぞれの想いで描かれていました。

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