上野・トーハクから上野東照宮へ(3)

歌舞伎座6月の『京人形』から左甚五郎さんが彫った龍があるということを知り、これは良い機会と拝見しに寄りました。上野東照宮ちょっと派手派手さに避けていたところもあり、今回はあらゆる異文化を受け入れつつの江戸徳川家の威信を示すための建築物とおもうと、その工夫も一つの時代のながれに残したものとして大工さん達の努力の結晶でもあるのだという感慨がわきました。

大石鳥居をくぐりますと表参道となりますが、石燈籠が並んでまして約200基あるのだそうで現在の社殿の造営の年(1651年)に諸大名が奉納したのです。

そして唐門と後方に社殿があるのが解ります。お天気が曇りでお日様に照らされず助かりましたが、建物はかなり渋めに写りました。白の丸印が左甚五郎さんの彫刻の昇り龍降り龍です。よく見えませんが青の丸印は銅灯篭です。これは48基あり、唐門の両側の6基は内側から、紀伊、水戸、尾張ということです。青丸は紀伊家が寄進した銅灯篭となります。こんな写真じゃいやだよと思われるかたは是非上野に行かれたら立ち寄ってください。

社殿を拝観するのは有料ですが、社殿側から見た唐門です。

こちらの龍のほうが近くから見ることができます。昇り龍降り龍は毎夜不忍池に水を飲みに行くという伝説があるそうで、<京人形>も動いたのですからもそれくらいのことはするでしょう。そして頭を下げている龍が昇り龍で、偉大な人ほど頭を垂れるということからだそうです。

印象的だったのが透塀(透かし彫りの塀)です。東洋館でイスラームのブルーの透かしタイルを見た後だったので、日本の木の彩色の透かし彫りが金色に負けない存在感でした。風土の違いや寺社仏閣の建物の違いなどは新しい発見があり楽しいです。

表側の唐門の左側とするなら、水戸、尾張の銅灯篭でしょうか。それぞれの透かし具合がおもしろいです。

社殿を拝観していると整備されているかたが、お狸様ご神木も観て行ってくださいとすすめてくれました。

お狸様というのは栄誉権現社です。大暴れのタヌキでしたが本宮に奉献されてからは<他を抜く>強運の神様となったのです。お狸様を拝見して笑ってしまいました。発想外でした。あまりにも笑ってしまい免疫力アップしたかもしれませんが、笑いすぎと怒ってられるかもと写真は撮れませんでした。お狸様ファンになりました。

ご神木は整備中でそばには寄れませんが拝観できました。見どころの多い上野東照宮です。

表参道からは五重塔もみえます。明治に入っての神仏分離令により壊されるところを寛永寺の所属であるとして願い出、東照宮五重塔から寛永寺五重塔と改められました。しかし離れているため維持が難しく都に寄付されたので今は動物園の中にあるのです。

ここからが五重塔への表参道だったので、こちらが五重塔の正面だそうです。残してもらってよかったです。

大石鳥居を出たところにはおばけ灯篭もありまして、日本の三大石灯篭は、名古屋熱田神宮、京都南禅寺、そしてこの石灯篭だそうです。

不忍口鳥居もありまして、こちらから出て不忍池の弁天堂に寄るのもいいですね。ぼたん園には来ましたが、東照宮は興味薄だったため改めて今回しっかり観させてもらいました。これで友人を誘えばガイドできそうです。

帰りは韻松亭で一人ランチでした。ショックなのはこれだけの行動で帰宅するとものすごく疲れたことです。自粛生活は心身に少なからず影響を与えているようです。

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