市川市歌舞伎イベント『市川笑三郎 女方の美』

歌舞伎初めての方も、よく観劇されてる方も楽しめると思います。

トークショーはもっと聞いていたいと思いましたが時間制限があるので我慢です。笑三郎さんと師匠である猿翁さんの出会いも素敵だと思いました。笑三郎さんは岐阜の出身で、地歌舞伎に出られていて、たまたま猿翁さんが、地歌舞伎を観に来られたのです。猿翁さん、地歌舞伎から何か新たなものを見つけられるのではないかと『奥州安達ケ原』を観にこられたのだそうで、何からでも学ぼうとされる姿勢はさすがです。

そういう猿翁さんに見いだされた歌舞伎が大好きだった笑三郎さんにとっては、自然に引かれていった道だったのかもしれません。そのほか、師匠のもとでの厳しくも興味深いお話が聴けました。

聞き手の今井豊茂さんが、最初に行徳と歌舞伎の関係で『南総里見八犬伝』の登場人物で行徳に住んでいるという設定もあると教えてくださいました。江戸時代は塩田の行徳ですから江戸の人々は行ったことがなくても地名はよく知っていたとおもいます。

ワークショップは「女方ができるまで」で、お化粧から、衣装の着付けまで笑三郎さんが美しい女方に変身していくのを見せてもらえます。ここでは、笑三郎さんの三人のお弟子さんである、翔三さん、翔之亮さん、三四助さんが、お手伝い、説明などを担当してくれます。間近で長い時間なかなかお目にかかれませんから、ファンの方は必見です。好青年トリオです。

衣装はその後踊られる舞踊『藤娘』で、この踊りでは衣装も上だけかわったりと変化しますが、それがどのように工夫されているかも目にすることができます。

そして、舞踊『藤娘』で、顔、衣装だけではなく、女方としての身体表現が展開されます。『藤娘』はただ観ているだけで楽しいですが、男心をなじったり、ゆったりとした藤音頭が入ったり、お酒を飲んで酔って踊ったりと様々な姿態を踊り分けます。笑三郎さんは近頃性格のはっきりした役で魅了させていますので、こういう踊りが観れ新たな視点をいただきました。なによりも音楽に乗られていて楽しかったです。

感染対策もしっかりしていて、消毒をするとその下に体温が数字ででてくるという優れものの登場でした。こういう器具は次々と開発されていきますね。そして入口から二階への会場までの空間が狭いのですが、会議室のような場所に待機場所を作ってくれていまして、開場時間まで椅子に座って待っていられました。会場に行く前に、少し散策してきましたので、これは助かりました。会場は一つ席空きです。私はまだこの席空きが心穏やかに観劇できます。

地下鉄東西線行徳駅から歩いて7分という好位置の「行徳文化ホールI&I」です。

場所は行徳ですが、舞台は大津絵の藤娘。近江八景づくしもあります。旅が難しい体験をしてみますと、旅などそう行けない江戸の人々が、歌舞伎の舞台で、日本中のさまざまな場所へ旅をした気分になっていたことが実感できます。そしてそれを満たそうとして書き手も工夫したことでしょう。

行徳で歌舞伎体験楽しめました。

追記:  市川市歌舞伎イベント『市川笑三郎 女方の美』は有料配信されるようです。

市川市歌舞伎イベント 市川笑三郎 女方(おんながた)の美 【Streaming+(配信)】のチケット情報(Streaming+) – イープラス (eplus.jp)  (終了)

追記2: 興味惹かれるフライヤーを手にしました。「パンの会」の名前の由来からバレエ『牧神の午後』を思い浮かべたばかりでしたので、あれ!あれ!とニヤリとしました。

現代音楽レクチャーシリーズ 舞踊と20世紀音楽

動くとやはりSMSとは違う情報を手にできます。トーハクの『聖林寺十一面観音』も興味ありそうな人にフライヤーを送りました。3人の方が行かれました。まだフライヤーの力は大きいとおもいます。

こういう時期ですので選ぶことなくバーっといただいてきて選別します。行けなくても面白い企画だなあとながめています。

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