歌舞伎『花競忠臣顔見勢』関連情報(2)

11月歌舞伎座『花競忠臣顔見勢』の関連情報です。桃井若狭之助があれだけ高師直に悪態をつかれながらなぜ刀を抜かなかったのかは、加古川本蔵の陰の力なのです。そのあたりをもっと詳しく知りたいという人のためにうってつけの公演があります。12月、国立小劇場での文楽公演です。

上演されるのは下記の段です。

若狭之介の家老・加古川本蔵は高師直に進物(賄賂)をしてご機嫌をとったのです。されに塩谷判官が高師直に切りつけたとき本蔵は後ろから判官を抱きかかえ、そのことによって師直は命を落とすことなく傷で済んだのです。

塩谷判官は切腹。赤穂城は明け渡しとなります。『花競忠臣顔見勢』では描かれていなかった部分です。

そして「道行旅路の嫁入り」。本蔵の娘・小浪は母・戸無瀬に伴われ、大星由良之助の息子・力弥に嫁入りするための旅路です。『花競忠臣顔見勢』で米吉さんの小浪の出が少なかったと思われる方は、もし文楽を鑑賞されたならば人形に米吉さんのイメージを重ねますとより一層感情移入できるでしょう。

この後の部分、山科の大星由良之助の住み家への嫁入りは無事おこなわれたのでしょうか。それは、『図夢歌舞伎 忠臣蔵』でどうぞ。私は <Amazonプライムビデオ>の動画配信で観ました。 

図夢歌舞伎「忠臣蔵」 第五回【九段目・十一段目】

新型コロナで舞台が危機に瀕し無観客での舞台を配信するというのではない新たなる幸四郎さんの挑戦でした。申し訳ありませんが観る気にはなれませんでした。あの名舞台が壊されるという感じだったのです。

今回、観てみようとおもいました。『花競忠臣顔見勢』で、加古川本蔵が姿を見せぬかたちなので第5回の九段目(山科閑居)・十一段目(討ち入り、引き揚げ)をみることにしました。

最終回ということもあるのでしょうか、映像的にも工夫がありこれが面白かったです。おそらく試行錯誤でここまでこられたのでしょうが、よくぞ挑戦され残してくれたとおもいました。

九段目は大星由良之助(幸四郎)、戸無瀬(猿之助)、力弥(染五郎)、加古川本蔵(幸四郎)で、役者同士が対峙できないのですが、そこを竹本で葵太夫さんの語りをたっぷり耳にすることができ、舞台や舞台映像とは違う世界観に満足しました。

戸無瀬の猿之助さんは、姿を見せない小浪にいるものとして話しかけるのですが、米吉さんの小浪を想像して観ていました。

花競忠臣顔見勢』の本歌取りで、そこからの外伝として九段目(山科閑居)・十一段目(討ち入り、引き揚げ)を観ていました。『花競忠臣顔見勢』は、それほど若手歌舞伎役者さんたちの心意気が伝わる舞台だったからです。

視聴して48時間は観れますので、1時間ほどですので九段・十一段目は2回。九段目は4回ほど観ました。これから第一回から順に視聴していきます。

その前に『花競忠臣顔見勢』関連映画をもう一度鑑賞してまとめてからにします。

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