初日の出・歌舞伎座『岩戸の景清』

歌舞伎座のフライヤーの裏がしばらく新型コロナ感染予防案内が一面をしめ、やっと今回の新春大歌舞伎から、演目のあらすじがのるようになりました。うれしやうれしやです。『岩戸の景清』などは分かりづらいので、簡単にでも芝居について頭に入れておくと観劇の役に立ちます。

平家の武将・悪七兵衛景清が源氏への復讐心から江の島の岩窟に閉じこもってしまって世の中は暗闇です。そこで源氏側は神事をおこない舞うのです。岩戸を開けると景清がいて景清が刀を抜くと光を発します。さやに納めるとまた暗闇です。この刀・小烏丸が威力をもっているのです。

悪七兵衛景清が松也さん。源氏側の北条時政が巳之助さん、秩父重忠が歌昇さん、重忠妹・衣笠が米吉さん、和田義盛が隼人さん、義盛妹・朝日が新悟さん、江間義時が種之助さん、千葉介常胤が莟玉さんです。この名前の並びを見ると浅草歌舞伎を思い浮かべることでしょう。「難有浅草開景清」とあります。なんて読むのかと思いましたら「ありがたやはながたつどうあけのかげきよ」だそうです。難問漢字といいますか、勝手読み方漢字といいますか、ややこしいです。

筋書にも読み方出ていませんでしたので他で検索しました。フィーリングで感じ取ってくださいということでしょうか。

舞台は源氏側の舞いがあでやかに展開します。巫女の役目を兼ねているのでしょう、米吉さんと新悟さんが組んで舞い、隼人さんと莟玉さんが組んで舞います。皆さん衣装が美しく初春らしさにあふれています。種之助さんは「矢の根」の五郎を小ぶりにしたいでたちで、岩戸を押し開けます。

松也さんが刀を抜き光がさしますがさやに納めるとまた闇ですので、だんまりとなります。再び刀が抜かれ、明るくなり、景清と軍兵との立ち回り。

景清は、時政と重忠に説得され納得して新たな旅立ちとなります。舞台背景は富士山が見える海上からの日の出です。歌舞伎座舞台での初日の出でした。

皆さん若さのなかにおごそかさを加えて演じられていました。松也さんは空気抵抗をもう少し感じさせてもらいたいです。荒事ですので、空気を自分に引き寄せそれを空気抵抗感をもって押し出す強さが欲しいです。実際はありえなのことですが、観ている人にそう感じさせるのが荒事の醍醐味かとおもいます。

来年は浅草歌舞伎の開催が望まれるところです。

追記: 歌舞伎座一部、三部の開催が継続となったようですね。よかったです。つないでくれる人がいればこそです。千穐楽まえにもどれる役者さんもでてくるでしょう。姿の見えないものとの関わり合いですから継続が力なりです。

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