映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』 (1986年)(2)

1960年の映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』がミュージカルの舞台となり、映画と舞台を合体して1986年にふたたび映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(フランク・オズ監督)となったのです。

ブロードウエイでロングランとなった舞台の内容は知らないまま映画を観ました。女性三人のコーラスに、新たな気持ちで映画に引きつけられていきました。十代の女性コーラス三人は路地から出てきてこの物語の場所や、お店、登場人物などを歌いながら紹介していきます。衣装も好いですし、動きも大げさではなく邪魔にならないリズミカルさで観る者を誘ってくれます。

この三人のコーラスが色々な場面で登場し歌で状況をカバーして教えてくれるのです。

登場人物は知っていますのでなるほどと納得します。ただオードリーの登場で、何かただ事ならぬ様子を察知します。オードリーには恋人がいてその相手があのサディストの歯医者なのです。

ところがオードリーの意中の人はシーモアで、シーモアの意中の人がオードリーなのです。二人とも汚いこの街から抜け出したいと願っています。オードリーは小さな家で家族仲良く暮らすことにあこがれています。ところが現実はそうは行きません。

店主がもうやっていけないので店を閉めるとい言いだし、シーモアが育ていた植物を持ってきます。名前はオードリーⅡです。オードリーⅡをショーウインドーに飾ったとたんに客が珍しいといって入ってきてバラを買って行ってくれるのです。それからはお店は繁盛します。

例によってシーモアは自分の血をオードリーⅡに与えることになります。

シーモアはオードリーの恋人がサデストの歯医者であることに納得がいきません。歯医者のところへ様子を見に行き、診察中歯医者は事故死してしまうのです。歯医者の遺体を切り刻むとき斧が出てきました。映画『ディメンシャ13 』の斧とここでつながったと可笑しくなりました。オードリーⅡは育っていきます。シーモアとオードリーは愛を告白しあいました。シーモアは雑誌のライフに載ったりして有名になりお金持ちになれそうです。

でも、シーモアはもうオードリーⅡに人間を食べさせるのはいやです。オードリーもお金が目的ではないと言ってくれるので二人でこの街から出ることにします。この映画にはラブロマンスが加わっていました。

ただ、1960年版では、シーモアがオードリー・ジュニアをやっつけようとして食べられてしまうんです。このままシーモアは逃げられるのでしょうか。もしシーモアが食べられたらラブロマンスも悲劇的結末です。

新たな展開でした。オードリーⅡは植物のくせに伸びたツルをあやつって電話をかけオードリーを呼び出し飲み込みます。そこにシーモアが現れ危機一髪で救い出すのです。

シーモアはこれは自分が始末しなければならないとオードリーⅡとの戦いとなります。オードリーⅡには沢山のチビオードリーⅡが誕生しています。オードリーⅡは世界中に広まって地球を乗っ取ろうとする宇宙からの侵略者だったのです。

しかし愛は強しでありましょうか、シーモアはオードリーⅡを倒すことができたのです。シーモアとオードリーは小さなわが家へと向かうのでした。ただ、花に隠れてチビオードリーⅡの姿がありました。

舞台版では、シーモアとオードリーは二人とも食べられてしまうのだそうです。

映画ではどうしてはハッピーエンドにしたのでしょうか。映画でも二人が食べられるように撮ったのですが、テスト試写で観客がショックを受けおびえてしまったので変えたのだそうです。

舞台ではアンコールで食べられた二人が再登場するのでかえってお客もよろこび楽しめたのでしょう。

映画でのオードリーⅡは出演者の一人としての動きをしていますから、リアリティがありすぎたのかもしれません。

ということでそれぞれ楽しめるバージョンとなっているようです。音楽もいいので舞台も楽しいと思います。

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