歌舞伎座3月『新・三国志 関羽篇』(1)

歌舞伎『新・三国志 項羽篇』のポスターが気に入りどうしようかなと思っていましたらクリアファイルがありましたので一応手元とに置いておくことにしました。皆さん一人一人の気力みなぎる充実感と緊張感が広がり、千穐楽で解放感があるのかなとおもいましたらそんな気分のゆるみなど無い舞台でした。

『三国志』は壮大な物語ですが、条件が制限されるためセリフ劇となりましたが、それがかえって何十年後かの再演ということによって役者さんたちにとって新たな挑戦の場となったのではないでしょうか。

スーパー歌舞伎『新・三国志』は、新橋演舞場での1999年と2000年の上演の時、両方見たのかどうか記憶にないのです。中国の京劇俳優さんも参加しての立廻り、大掛かりな戦いの舞台装置、本水の使用、音楽は加藤和彦さんによる全面的洋楽の使用と、そして関羽の宙乗りと、あれよあれよの驚きと感動の舞台でした。衣装がまたすごかったですしね。今回音楽を耳にしてもこれだったという感覚がないのです。今回改めて細やかに変化にとんだ入れ方をしているなと思いました。

今回のほうが舞台装置の簡略化とかもあり目よりも耳が敏感になっていて、さらに一人一人の役どころにも冷静に目が行きました。

その中の二点だけ感想を記します。よき軍師を求めて、関羽(猿之助)と劉備(笑也)と張飛(中車)が諸葛孔明(青虎)の住まいを訪ねます。舞台の背景が竹でした。竹に虎。憎いですね。市川弘太郎さん改め二代目市川青虎さんの襲名にふさわしい舞台装置でした。家の中も竹の棚。背景の何本も伸びる太い竹を見たとき、竹の間から姿をあらわしている大きな青い虎の絵を勝手に描いていました。想像の絵ですから格好いい虎が描けました。

関羽が孔明に向かって「青い虎となって駆け巡ろう」というようなことを言うのです。この場面は忘れないでしょう。襲名の口上はどれがどれだかわからなくなりますが、これは記憶に残ります。上手くはめ込まれましたね。これを考えた人こそカブキモノの軍師かも。それにしてもおめでたいことです。

もう一つは宙乗りですが、舞台の背景がこれまた美しいのです。飛び立つ関羽の姿と舞台の桃の咲き誇る風景をかわるがわる眺めて合成して楽しませてもらいました。ただ桃の花びらが大量に舞い散りますので、実際の背景となるお客様が邪魔にはなりませんでした。白い衣装のマントを翻して消えていく関羽の猿之助さん夢をまき散らして去りました。

その他のことは続きとしておきます。

追記 1999年のフライヤー。

2000年のフライヤー。

1999年と2000年のフライヤーがありましたが2000年のほうが折れ線があり、観劇の時持ち歩いたものとおもわれます。やはり観劇したのは2000年のほうでしょう。

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