本との縁ある出会い

パソコンで想わぬ映像や書き込みに出会うのも嬉しいが、本との出会いは格別である。

図書館で「冥途の飛脚」を捜していたら、その隣に「“古典を読む” 平家物語」(木下順二著・岩波)が並んでいる。『平家物語』に出てくる人物を<忠盛・俊寛・文覚・清盛・義経・知盛>物語の中から追いもとめ、それぞれの生き方を捉えている。文覚を『平家物語』から選び抜粋していたので、抜け落ちが無いかどうか確認でき助かった。

「“古典を読む” 平家物語」の、<巻尾に>に木下さんが『平家物語』と本当に付き合いだしたのは、 <1957年、故・石母田正君の「平家物語」(岩波新書)に接した時からだと言っていい>と書かれてある。石母田さんの本は、木下さんの本と出会う数日前に初めて入った古本屋さんで目にし購入していた。またまた奇縁である。

木下さんは、画家・瀬川康男さんと組まれ「絵巻平家物語」(全九巻)を作られた。瀬川さんが凝りに凝って刊行に八年かかったとある。一人一巻で岩波の本に<祇王・忠度>を加えている。この本は児童書であるが、年数をかけただけに絵・文章ともに味わい深く解かりやすい。

さらに木下さんは<山本安英の会>で “群読” という問題を考え始め、「『平家物語』による群読ー知盛」を発表、上演し、その延長に「子午線の祀り」があるという。

この「子午線の祀り」は、1999年に出演・野村萬斎・三田和代・鈴木瑞穂・市川右近・木場勝巳・観世栄夫・等で見ている。その物語の膨大さに感動したのであるが、細部は解からなかった。その頃『平家物語』は頭の中にはない。もう一度観たいものであるが、戯曲だけでも読む事とする。

 

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