吾妻小富士・鳥海山・月山

<吾妻小富士><鳥海山><月山>を、我足で踏みしめることが出来た。ハイキング程度であるが、山の一部を歩けたので満足である。

<月山>は、出羽三山の一つである。昨年羽黒山に行ったとき、残りの二山も行かねばと思っていたので、<月山>を目にして、ツアーに申し込む。<月山>の八合目までバスで登り、<弥陀ヶ原湿原>を1時間ほどの散策である。平坦な木道の遊歩道になっておりバスで登ってきた時の景色を思うと好いとこ取りをしているような気分で、修行とは無縁である。紅葉も始まっていた。途中に<月山中の宮>(御田原神社)の鳥居井がある。稲田の守護神が祀られている。残念ながら月山の山頂は雲に邪魔をされて望めない。所々に<池塘>と呼ばれる水たまりがある。八合目であるが、広い広い頂上に居る感じである。

<鳥海山>は行くまでも帰りも、バスの中から<鳥海山>尽くしである。ぐるっと<鳥海山>を周る感じでの道である。夏の間の東海道は、富士山に嫌われ裾野の見える場所でありながら雲に邪魔されたので、今回は<鳥海山>大好きの心境である。富士山は冬にリベンジするつもりである。<鳥海山>は、<獅子ヶ鼻湿原>を2時間ほど歩く。こちらは神秘に満ちた森の中という観じで妖精が出てきそうな雰囲気である。異形に育ったブナの木が林立していたり湧水中には<鳥海マリモ>と呼ばれるコケが水の中に浮いているようである。

日本の自然はまだまだ魅力的な所が残っているらしい。途中のパンフで見つけた。象潟(九十九島 )は、芭蕉も魅了され松島のような島々だったのが、地震のため今は水田の間にかつての島々が点在しているのだそうである。陸の松島と呼ばれている。地震国・火山国・日本ならではの変遷する風景なのであろう。

行程を反対に書いているが、<吾妻小富士>は、浄土平の駐車所から登り、火口を1時間ぐるっと歩く。伊豆大島の三原山では時間がなく火口まで行けなかったので、火口散策は<吾妻小富士>で願い叶ったりである。すり鉢のような火口跡を見下ろしつつ、雲間の山々を眺めつつ歩く。吾妻山は活火山である。今は静かに乾ききったような火口である。

火口を巡って下りてから、今度はビジターセンターに隣接する湿原を散策。ここは、20分もあればまわれる。草花は残念ながらエゾリンドウが少々である。しかし、白い苔のハナゴケが頑張って群生していてくれた。その白さが可愛らしい。

ビジターセンターで日本野鳥の会の発行の小冊子があり、ページ数はすくないが、写真と文がなかなか味わい深い。好きな星野道夫さんの写真も載っている。その中で、福島原発の身体に対する影響を心配し、いわき市の主婦らが立ち上げたNPO法人『いわき放射能市民測定室 たらちね』の紹介があった。「β線放射測定ラボ」を立ち上げつつあるという。この冊子は2014年12月発行なのですでに開始しているようだ。放射線のセシウム測定はよく聞くが、β線のほうが横綱級で骨に取り込まれ延々と体内で放射線を出し続けるのだそうで、β線を測定するには多大な費用、技術的な問題があるのであるが、それを稼働し始めるという話しである。

福島にきて原発問題を提起される。若いお母さんたちが、心配するのは母親として当然のことである。一番きがかりのことである。こうした会が生まれ存在してくれることは若いお母さんたちに大いなる力となるであろう。ただ営利目的の団体もできているとのことで、その辺は利用される際には充分確かめられたい。

自然を通して素晴らしい面も破壊される面もはたまた、自然の驚異や横暴さも様々な姿が見えてくる。その中で人はどう生きていくのか。そんなことも想い至る時間であった。処理方法が決まらず何処にも持って行きようのないものは使用しないのが自然の流れと思う。

さて、映画好きとしては、磐梯山と吾妻山の周辺の風景をロケした映画の情報も得たのでその映画と、伊豆大島を舞台とした映画の話しを次には書くことにする。

追記: 

月山中之宮・御田原参篭所の案内

弥陀ヶ原湿原

鳥海山・獅子ヶ鼻湿原

流れる水は、川などの流れを落下しているのではなく、鳥海山に浸み込んだ雨や雪解けが伏流水としてここで地表に湧き出しています。

燭台と名付けられた奇形巨木ブナ。太い幹と、幹から立ち上がった形が西洋のロウソク立て似ているため。

鳥海マリモ解説

吾妻小富士