熊本と新宿をつなぐ作家 漱石・八雲

熊本の被災された方々の避難所にベビーバスが届き、赤ちゃんのお湯につかって満面の笑顔などもテレビみることができるようになった。うれしさが声になって出そうになる。「気持ちいいよね。よかったね。」

まだまだこれからであるが、少しずつ少しずつ、立ち上がる方向に進んでいるように思える。激甚災害制度も適用になったようである。

今回、被災者生活再建支援制度などもどんな制度かを調べた。阪神・淡路大震災があって、そこから制定された法律なのだということを知る。関東で竜巻があったとき、その地域で10世帯以上の住宅全壊被害がないので支援制度適用にならないという報道を目にし、そんな線引きがあるのと憤慨したが、どうもそうらしいのである。

東日本大震災の時も、仲間が家が傾き、住まいを借りるなら補助がでるということであった。その方は、A市在住で、B市の友人がB市にある家を安い家賃で貸してくれるということであったが、A市での賃貸でなければ補助は出せないとのことでA市で捜すこととなった。話しを聴いていた皆が、被災はA市がひどいんだからB市で借りてもいいのにねと言い合ったことを思い出す。

これからそうした手続きや、家族間での話し合いなども加わり大変さが加わるであろうが、少しずつもとの生活を取り戻していただきたいものである。

昨年の夏(7月19日~8月30日)、新宿歴史博物館で『熊本と新宿をつなぐ作家 漱石・八雲』展があった。夏目漱石さんは、小泉八雲さんの後を追うように熊本第五高等学校の教師となり、その後、東京帝大の英文科講師としては、八雲さんの後任である。そして、最後の住まいが同じ新宿であった。

東京帝大では、八雲さんは学生たちに大変人気があり、留任運動もおこったようである。しかし、漱石さんの講義も人気で、和辻哲郎さんなどは教室の外から聴いていた組である。

漱石さんは、熊本で結婚して父親となっている。八雲さんも熊本で父親になっている。漱石さんは、熊本には四年三カ月暮らしていて6回引っ越しをしている。<漱石先生くまもとMAP>があって、それをながめつつ、熊本の街をあるきたいなあと思っていたのである。

この新宿歴史博物館の企画展にはくまモンも来館し、学生服を着て第五高等学校生となって、展示をながめていったようである。

来年の平成29年9月には、「漱石山房」記念館が開館する予定である。くまモンもその時は元気になって来館し、熊本をアピールしてくれると良いのだが。

熊本の子供さんたちも、早く授業が始まって勉強ができるようになると笑顔がふえるであろう。学校の友達は、家族とはまた違ったつながりのある仲間である。

熊本市は路面電車が走っているのだ。3月末から4月にかけて函館に行ってきたが、路面電車が最高であった。熊本の路面電車も乘りたい。路面電車は、街を優しくする乗り物である。

今日は、日比谷と有楽町にある、鹿児島と博多のアンテナショップに寄る。時間がなかったので、九州全体と考えることとした。周りが元気なら熊本や大分も元気になれるであろう。博多織りの綺麗なしおりがあった。

その説明によると「献上博多織」とは、豊臣秀吉の軍師である黒田官平兵衛の長男黒田長政公(筑前福岡藩初代藩主)が毎年3月幕府に帯と反物を献上したため生まれた名前とある。文字でみるとなるほどである。

本屋にも寄って「東京防災」を聞いたが連休あけでなければ入らないとのこと。

地下鉄の中で、ベビーカーの若いお母さんを見て思った。だっこひもかおんぶひもを所持したほうがいいんじゃなかろうか。5年前より若いお母さんの一人でのベビーカーが増えている。ひもさえあれば誰かにおんぶしてもらうこともできるし。そんなこんなを思いめぐらされた一日である。

 

地震の多様性

熊本地震災害。テレビの情報を見つつ、原発は大丈夫。津波も大丈夫。火災も大丈夫。あとは、余震が徐々に治まってくれますようにと願っていたら、もっと大きな地震が起きてしまった。亡くなられた方々には、心静かに手を合わせるしかすべもない。

その後のテレビの地震学者の方々の話をきくと、とにかく複雑で難しい地震のようである。余震が多くて、大きい。

今までの地震とは違うようである。

車中で避難生活をされている方々も多く疲労がこちらにも伝わってくる。赤ちゃんや小さなお子さん、高齢者のおられるご家族やその他事情のあるご家族などは、特に大変である。避難場所の地域を広域にして、希望する方々には、一時的にもう少し精神的にゆったりできるスペースと衛生的に安心できる提供はできないのであろうか。

東日本大震災のときは、県外でも受け入れ体制をとってくれた。

地震の多様性がわかった以上、避難する方々の避難体制も多様性をもって取り組んで欲しいものである。

希望するかしないかは、被災者の選択で、その前に避難先を設定して声をかけるのが、行政や政治の仕事と思う。

がまん、がまん、だけではなく、地震国日本であるなら、より良い方法を見つけ出していかなくては。

地下よおだやかになっておくれ。土砂崩れよこらえてとどまっておくれ。