映画『シャーリー&ヒンダ ウォ―ル街を出禁になった2人』 『人生タクシー』からの継続(3)

〔 謹賀新年 〕 新しい年を迎えたが、内容は昨年の続きである。

東京国立博物館で『御即位記念特別展 正倉院の世界 ー皇室がまもり伝えた美ー』が開催されていた。シルクロードの一つの終着点が奈良正倉院と言われるが、イランがペルシャ帝国と言われていたころの文化が日本に到着し正倉院に保存されていた。

ペルシャ系人とおもわれる「伎楽面 酔胡王(すいこおう)」、聖武天皇が愛用されペルシャで流行っていた水差し「漆胡瓶(しっこへい)」、胴にペルシャの天馬(ペガサス)が描かれた「竜首水瓶」、80もの円形切子のあるガラス器「白瑠璃椀」、紺色の中にかすかに残る白濁色が残る「ガラス皿」、草原の狩猟を描いた四絃琵琶「紫檀木画槽琵琶(したんもくがのそうのびわ)などペルシャから伝わった展示品をわくわくしながら鑑賞した。

五絃の「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」も展示されていて、四絃はペルシャで五弦はインドで多く使われ、「螺鈿紫檀五絃琵琶」は新たに復元したものも展示されていた。この復元の琵琶の糸は絹糸で、美智子上皇后が育てられている蚕からの絹糸が使用されていた。この蚕は日本の在来種小石丸といい、奈良時代からのものだそうである。このお仕事は、雅子皇后に受けつがれるのである。

イラン関係の本によると、『続日本紀』には736年の記録には当時中国姓を名乗ったらしいペルシャ人も渡来しているということであり、日本に現存する最古のペルシャ文書は1217年に渡来したペルシャ語の詩句とある。

さらに太宰治さんが『人間失格』の中に挿入しているルバイヤットの詩句が、ペルシャのオマル・ハイヤーマの詩集『ルバイヤート』からなのだそうで、11篇も挿入している。この詩句のことなど頭になく、それがペルシャの詩集からなどということも当然知らなかった。さらに『人間失格』の作品の中でどう関連しているのかも。『人間失格』を開いたら確かに挿入されている。読み返してみる必要がありそうである。

さらに、松本清張さんが『火の路(みち)』の中で、自説の古代史の仮説を提示しているという。奈良の飛鳥の石造遺物が、ゾロアスター教(古代ペルシャで生まれた世界最古の炎を崇拝する拝火教)の拝火壇で、日本に渡来したペルシャ人が造ったのではないかという仮説である。推理小説なので殺人もでてくるようだ。興味がそそられる。松本清張さんの著作に『ペルセポリスから飛鳥へ』もある。

迎賓館赤坂離宮に行きたいと思いつつ実行していなかったので、和風別館「遊心亭」のガイド付きで申し込む。映像での紹介の場所があり先に予習をした。見どころいっぱいである。その中にイスラム風の「東の間」があり、意外なつながりに嬉しくなってしまった。世界のあらゆるものを取り入れていたのである。パンフレットにも写真が載っているが、残念ながら公開はされていない。

独特の美しさを持つイスラム風を味わいたい。モスク(イスラム教寺院)である東京ジャーミィ(トルコ文化センター)が公開しているのを知る。曜日によっては案内ガイドつきである。その時間に合わせる。自由にお茶を飲みつつ待つことができる。ガイドのかたの話しが、こちらは知識ゼロのため面白い。チューリップの原産はオランダではなくトルコであった。チューリップバブルというのがおこっていたのである。

礼拝の様子も見せてくれた。生のコーランを耳にする。途中でガイドされたかたも礼拝に参加された。ガイド終了後はゆっくり静かに内部の模様や色使いを楽しませてもらう。美しい。

というわけでトルコ映画へとなったのである。鑑賞したのは『海難1890』(日本・トルコ合作)・『少女へジャル』・『裸足の季節』の3本だけである。

もう一つ長期間、ハマっていた映画の分野がある。ダンス映画である。それもストリートダンスである。30数本観た。なかでも多いのがブレイクダンスである。身体表現は映像であってもやはり魅力的である。その他のダンス映画も観ていたのでダンス系は50本は観たと思う。それと並行しての鑑賞なので、トルコ映画は観れるリストは作ったのでこれからとなる。