鬼怒川温泉と日光杉並木

友人が東武鉄道の安い切符がチケットショップにあるが必要なら購入するという。切符があれば出かけるであろうからと数人分お願いする。結果的に行きたいところが別々で皆単独行動となった。それぞれ日光の鳴虫山、龍王峡、奥日光と意見も分かれ日にちも合わない。私は鬼怒川温泉に行ったことがないので、旅行ガイドを見て鬼怒川温泉の五橋めぐりを決める。時間があればロープウェイで丸山山頂駅までと考える。

鬼怒川温泉駅に着く。想像していたよりもホテルが沢山ある。観光情報センターで尋ねると橋めぐりは「七福邪鬼めぐり」となっていて、橋に鬼の可愛らしい像があって、それを全部まわると邪気払いとなるらしい。案内の方が親切で地図に赤いマジックで行き方と番号を記してくれる。鬼怒川温泉駅から鬼怒川公園駅まで一駅歩くことになる。公園駅の近くに日帰り温泉の鬼怒川公園岩風呂がある。ロープウェイは少しもどる形となり今回はパスである。

もう一つ行きたいのは今市にある日光街道の杉並木である。以前友人たちと日光へ行ったとき簡単に却下されてしまった。「杉見てどうするの。」どうするのと言われてもなあ。その時は充実した旅で、二日目には、もう一つの提案場所滝尾神社に行け、友人たちも満足したのでそれはそれでよかったが今回は誰に遠慮もいらない。案内係りの方はすぐ地図を出してくれ、上今市駅のすぐ近くが杉並木公園になっていてそちらが良いという。東武線は下今市駅東武日光線東武鬼怒川線に別れ浅草からだとほとんどがこの下今市駅で車両が離されて日光と鬼怒川方面に別れるのである。上今市駅となると、鬼怒川公園駅から下今市駅まで行き日光線に乗り換え上今市駅にいかなくてはならない。安い切符の時は安さを貫くのが変な楽しみで普通列車で特急など使わないから時間をうまく使わなくてはならない。

七福邪鬼めぐり」の鬼のそばにスタンプ台も置いてありスタンプラリーにもなっている。先ずは駅前の足湯のところに①鬼怒太像が。それから教えてもらった地図どおりにぷらぷらと橋と川を眺めつつ②鬼怒楯岩大吊橋・「楯鬼」③立岩橋・「立鬼」④ふれあい橋・「定印鬼」⑤くろがね橋・「遊心鬼」⑥滝見橋・「思惟鬼」⑦鬼怒岩橋・「半跏鬼」まで1時間半から2時間。汗を流すには丁度よい場所に温泉がある。

温泉でさっぱりして、携帯で電車の時間を検索すると、15分後に浅草行きがある。バックの中のワッフルと自動販売機の牛乳で急場を凌ぎ鬼怒川公園駅から下今市駅へ。3分後には日光線が出る。それに乗り換え上今市駅に到着。杉並公園を過ぎると日光街道杉並木である。長い。こんなに距離があるとは思わなかった。誰だ。「杉見てどうするの。」とのたまったのは。江戸時代の人々がここを歩いたんですよ。

日光東照宮をめざす、江戸からの日光街道、中山道からの例幣使街道、東北地方からの会津西街道が合流する重要な地点が今市である。

次の電車の時間があるので往復40分ほど歩く。江戸の旅人になった気分で、もっと暗かったであろう、あの先から追いはぎが出てきたかもなどと想像する。でもこのあたりは旅人の通行は激しかったであろう。杉の木に名前のプレートがついている。オーナー制度があるようだ。この道は残していって欲しい。北千住まで食事はお預けとなった。

帰りの電車の中で貰った観光案内を見ると昭和村の「からむし織の里」が出ている。以前から行きたかった所である。会津田島からバスが出ている。これは調べてみる必要がある。