奈良十一面観音巡り(2)

奈良十一面観音巡り(1)のほうで、興福寺・南円堂の中の無著・世親菩薩立像のことを書きましたが、そう言えば東京国立博物館に<運慶>と書かれたチラシがあったなと思って取り出してみました。出ました!なんと無著菩薩立像のお顔の写真。『2017年秋、天才仏師の傑作が東京に集結 運慶 』 来年の9月26日から11月26日ですのでずーっと先ですが、弟の世親菩薩立像も来られるでしょう。どんな並べかたをされるのかも興味があります。

『八十八面観音巡礼』は八体の十一面観音像を訪ねる旅です。

西大寺』『法華寺』『海龍王寺』『大安寺』『法輪寺』『聖林寺』『長谷寺』『室生寺』の十一面観音菩薩像です。

訪れていないのが『西大寺』『大安寺』『法輪寺』です。『大安寺』の十一面観音像が10月1日から11月30日のみ御簾が上がるということですので、この機会を逃したら来年までは御簾ごしにしか拝観できないので行くことにしたのです。

ツアー参加者のかたで、『聖林寺』『長谷寺』『室生寺』のツアーで十一面観音が気に入ってしまったと言われていましたが、その気持ちわかります。『聖林寺』は、桜井駅からバスの便が少なく観光案内のひとが丁寧に地図をかいてくれて歩きました。お会いしたかったから歩くのもなんのそのでした。その帰りに『安倍文殊院』にまわり、善財童子像に出会い、それから何年かして東京国立博物館の『国宝展』で再会できたのです。

西大寺』『大安寺』『法輪寺』をどう回るか。『西大寺』は近鉄大和西大寺駅から近く、『大安寺』は奈良駅からのバスの本数も多く問題はありません。『法輪寺』は法隆寺駅から歩いて30分。雨なら王寺駅からバスで中宮寺バス停へ、そこから歩いて15分。法隆寺駅からレンタルサイクルもあるようです。

晴れ。決まりです。

京都から奈良の法隆寺駅 (レンタルサイクル) ⇒ 法輪寺 ⇒ 法起寺 ⇒ 法隆寺駅(電車)⇒ 奈良駅(バス)⇒ 大安寺(バス)⇒ 近鉄奈良駅(電車)⇒ 近鉄大和西大寺駅(徒歩)⇒ 西大寺 (近鉄で京都へ)

昼食も入れてのほどよい計画の一日コースでした。『法起寺』にも十一面観音像があり、どういう基準で『八十八面観音巡礼』が決められているのかはわかりません。尋ねるのも忘れていました。飛鳥以来の奈良の自転車で、そうだ自転車もあるのだと再認識したのです。ただ、乗り捨て可と不可とがありますので、調べてからのほうがいいようです。法隆寺駅前のレンタル屋さんはもどってくることが条件です。

法起寺』は聖徳太子が建立された七つのお寺の一つでした。(『橘寺』『法隆寺』『中宮寺』『広隆寺』『四天王寺』『法起寺』『葛木寺』)

『葛木寺』は廃寺でありませんので、『法起寺』にきて現存する六寺を訪ねられたこととなり、別の一つのグループを完結という感じです。

ここの三重塔は日本最古で国宝であり、世界遺産に登録されています。十一面観音菩薩立像は本尊ですが、収蔵庫に安置され扉からガラス越しの拝観でしたがお顔も全体的にもふくよかな観音菩薩さまでした。

小さな池ごしから眺める三重塔は国宝であろうとなかろうとここにただ存在しているのですと奈良の斑鳩(いかるが)の静けさを際立たせていました。

一つ失敗あり。こういう田園風景の時は、三重塔を観る位置を考慮すべきでした。少し離れてあぜ道あたりから眺めることをしなかったことです。せっかくさえぎるものがないのですから。自転車で時間短縮をしながら、歩いた時の感覚を失していました。