本館に入って正面の階段はよく撮影に使われテレビドラマ『半沢直樹』にも登場していました。『聖林寺十一面観音』のあとさら~と常設展をみて二階のテラスに出て庭を眺めもどってきて壁に目が行きました。知っていましたが、微妙で地味ながら古風な文様に写真をとりました。触るとゴツゴツ、ザラザラした感触です。

そしてお隣の東洋館へ。青が綺麗。

地下におりてすぐ右手に『ナーガ上のブッダ座像』があり、ここで思いだしたことが。『新TV見仏記』のなかで、仏像の光背のてっぺんが前にカーブしているのを「コブラ型」と話されていたのです。
映画『リトルブッダ』でお釈迦様が修行されてるときコブラが背後から近づいてくるのです。そばまできて立ち去るのかなと思っていましたらお釈迦様の頭の上までおそいかっかてきます。そしてじっととまりました。お釈迦さまが雨に濡れないように傘になったのです。それで「コブラ型」かとわかったのです。
『ナーガ上のブッダ座像』は少し破損しているのですが、お釈迦様の背後には頭上に7つの蛇の頭がつきだしています。解説がありました。
「禅定(ぜんじょう)に入るブッダ(釈迦)を降り続くあめから守るため、蛇神ナーガがとぐろを巻いた体を台座に、7つの頭をさしかけて守る様子をあらわした像です。カンボジアでは水を司る神であるナーガに対する信仰が篤く、仏像と結びついてこの形の像が多数造られました。」
他にもありました。納得です。(「クメールの彫刻」)
みうらじゅんさんといとうせいこうさんの掛け合い漫才のような可笑しさでいながらピッピッと記憶の残ることを発せられるのです。どこかの大国主大神(おおくにぬしおおかみ)像のお顔を観て「これも怒ってるね」といわれていたのです。『聖林寺十一面観音』に「大国主大神立像」もおられまして怒っていました。袋を肩にかけられていて、大国主と大黒天とが習合されて信仰された時期があるようです。そして怒ったお顔の時期もあるらしいのです。らしいのですで終わりますが、「怒っている」に反応しました。
どうして怒っているのかはゆっくり調べてみます。
『イスラーム王朝とムスリムの世界』。イスラーム王朝の歴史には全く無知ですが、工芸品は美しく優雅です。
青釉透彫(せいゆうすかしぼり)タイルの青、文字文タイルの文字が模様のように浮き出たタイルなどもイスラムの建築様式の華となっていたのでしょう。
異文化を堪能しました。

追記: 下記にアクセスすると、『ナーガ上のブッダ座像』の写真が見れます。
東京国立博物館 – 展示 アジアギャラリー(東洋館) クメールの彫刻 作品リスト (tnm.jp)
追記2: 東洋館のクメールの彫刻の作品リストの中にある『ガネーシャ座像』は、頭が象で体が人なんですが、ヒンドゥー教のシヴァ神の子なんだそうです。見仏記のスペシャルDVD「驚愕の異形編」で大阪の正圓寺に体が仏様の仏像がありました。

みうらじゅんさんといとうせいこうさんが興奮していましたが、私も日本にもこうした習合の仏像が作られたのだと驚愕でした。東洋館もっとゆっくり丁寧に楽しまなくてはとおもいます。