四万十川 四国旅(3)

四万十川で尾形船に乗る。バスで佐田の沈下橋に行くか船に乗るかの選択だったのだが船にした。バスガイドさんがどちらも捨てがたいと。佐田の沈下橋の周りの自然も見たかったが、映画「君が踊る、夏」で我慢。川の水かさが増えて橋が沈んでも抵抗の少ないように、倒れた木などが流れてきても橋に引っかからないように欄干がない。自然に溶け込んで美しく長年の人の知恵と思うが、車などは注意を要するであろう。映画の主人公の恋人も車が通り川に落ちそうになる。佐田の沈下橋が河口から一番近い沈下橋で四万十川にはかなりの数の沈下橋があるらしい。

船のほうも良かった。船を待っていて投網漁、柴漬漁、青のり採りを見せてくれる。投網漁は綺麗に網が広がる。川が静かなときはよいが荒れているときは小舟の舳先に立って投げるので難しそうだ。柴漬漁は椎の木などの枝を束ねた物(柴)を川に沈め、枝の間に潜んでいたウナギやエビなどを柴の束ごとすくいとるのである。今回は雪が降ったあとでどちらも収穫はなかった。養殖用のシラスウナギも捕るのだそうだが近年なぜか収穫が少ないそうで、このとき捕らえられなかったウナギが天然ウナギになるわけである。

四国遍路道、札所37番岩本寺から38番金剛福寺への道もあり大師堂も見えた。弘法大師空海が四万十川の氾濫に苦しむ人々のためにここに結界を作り祈ったところである。映画「空海」(佐藤純彌監督)は空海の生涯をダイジェスト版で知ることが出来、ロケも雄大である。

「君が踊る、夏」の主人公の部屋からも四万十川が見えていた。四万十川を舞台にした映画「四万十川」(恩地日出夫監督)もある。この映画は録画しておいて見始めたがドラマ性に長けた映画ではないので前半でやめてしまい、今回見直そうと捜したがない。残念である。