会津雪景色の旅

龍王峡散策 <雪の時期、この線で会津まで雪見の旅がよい、などと次の旅を思い描く。>と書いたが雪の時期である。どの位の雪があるか調べもせず実行する。

東武鬼怒川線の最終、新藤原から会津高原尾瀬口までが会津鬼怒川線、会津高原尾瀬口から西若松までが会津線、西若松から会津若松を通って郡山までがJR磐越西線(ばんえつさいせん)である。

司馬遼太郎 『白河・会津のみち』 <内田康夫さんの『風葬の城』は、会津漆器の職人が殺される。大内宿や近藤勇の墓が出てくる。そして犯人はだれか。事件が解決し、浅見光彦は母雪江から、会津葵のお菓子を買って来るよう言いつかる。こちらにも興味がある。>の雰囲気も楽しみたい。

新藤原からの旅とするが、ここはまだ雪は無い。湯西川温泉を過ぎるとまだらに雪が現れる。トンネルを抜ける度に雪の量が多くなり、気持ちもワクワクしてくる。次の中三依(なかみおり)温泉駅に着くと一面雪である。新藤原から30分弱である。駅に入ってくる上り列車を撮る若者もいる。松の緑に刷毛で白をのせている風情も何とも言えない。もっと雪が多くなると白いマントを着た松となるのであろうか。

会津高原尾瀬口ではホームに雪が残っており、家々の屋根にも30センチほど雪が積もっている。風で積もった雪が煙のように飛んでいる。この電車は会津田島まで行き、そこで乗り換える。今度の電車は一両である。ホームの雪を踏みつつ乗り換える。会津が如何に雪国であるかが解る。旅行ツアーによく入っている観光地塔のへつりの駅がある。駅から歩いて5分くらいだそうである。ツアー2回ほど来たことがある。雪の塔のへつりも良いかもしれない。内田さんの小説「風葬の城」に出てくる芦牧温泉南駅を過ぎると大川ダム湖なのであろうか湖面が見える。大川ダム湖が若郷湖なのであろうか。持っている旅行雑誌にも載っていないのである。駅としては、次が大川ダム公園で次が芦牧温泉である。駅の案内板に載っていたのかもしれないが見過ごした。西若松で会津線は終点であるが、この電車は次が七日町、そして次の会津若松が終点となる。少し入り組んでいてややこしいのである。さらに七日町(なぬかまち)のほうが、古い町並みが残っていそうなので、七日町駅で降りる。

七日町での町歩きは飛ばして、帰りの会津若松から郡山の磐越西線の雪景色とする。会津若松駅過ぎしばらく走ると田畑が雪野原となり白一色である。東側の遠い山は霞み雪が降っているのであろう。西側は雪野原の先の雲のすき間から夕日がさしている。一日天候は曇りで最後に太陽が少し顔を出してくれた。雲がなければ眩しくて雪野原を眺めていることは出来なかったであろう。いい具合である。しばらくその景色を堪能する。そして山が迫るとトンネルに入る。来た時と反対に次第に雪が少なくなって行く。磐梯熱海から雪が消えていく。郡山では完全に雪はない。この変化に会津という土地の冬の自然風土を多少ながら感じることが出来た。寒さも肌にしっかり触れた。今回の列車の旅は短いながら雪を満喫することができた。

雪を見るだけで会津若松まで行かないで引き返してもよいと言っていた仲間もいたので、参考まで教えてあげることにしよう。会津田島の祇園会館か塔のへつりを見て引き返すのも良いかもしれない。